本稿では、まず海外で学んでいる日本語学習者に対して、構造シラバスの教科書を使った文法積み上げ式の会話教育だけでは実際場面でのコミュニケーション能力を身に付けられないことをその理由とともに述べる。次に、オーストラリアを中心に行われてきた具体的な接触場面を想定し、言語の実際使用場面をシラバスの中に組み込んだコースデザインについて触れ、最後に台湾の中華大学で筆者がデザインし、運営してきた初級日本語コースを紹介する。 The main objective of the article is to argue why conversation classes based on structural syllabus cannot develop students' communication skills effectively. Then, I will introduce the course designs which have been implemented for many years in Australi